実録 : 福井の入院生活

ワタシの病室の区画のカーテンはいつもピッチリと閉めているので、看護師さんが来ると「福井さぁ〜ん!いいですかぁ?」と声を掛けてくれる。
ベッドに寝たきりなんで気を使って頂いている。

看護師さん「福井さぁ〜ん!いいですかぁ?」
福井「(小声で)すみません。オシッコしてます。気にせずどうぞ!」

看護師さん「福井さぁ〜ん!いいですかぁ?」
福井「(更に小声で)すみませ〜ん、ウンチしてました。蓋しましたので大丈夫です。」

看護師さん「福井さぁ〜ん!いいですかぁ?」
福井「(無言で)放屁中で〜す。」
看護師さん「無言・・・・〆」

看護師さん「福井さぁ〜ん!いいですかぁ?」
福井「・・・・ムニャ・・・ムニャ」
疲れてうつらうつらして寝ボケているワタシの“昔は大切やったところ”を看護師さんがそっと洗ってくれた。

ちょっと嬉し恥ずかしかった。

ファラオになる日

2014年12月11日(木曜日)
なんのこっちゃねん?

『王が亡くなってミイラにされるときはきっとこんなんやろうなあ。』と言うのに近いのが病院でカラダを洗ってもらうやり方だ。

木曜日はベッドから起きてはいけない(起きることが出来ない)患者のために看護師さんがカラダを洗ってくれる特別な日である。

そして今回は12月4日に続いて2回目。

指定された時間が来るとベッドごと一階下の4階にあるシャワー室に運び込まれる。

着ている服を看護師さん二人あるいは三人の手でパンツまで脱がされる。

寝ているベッドに横付けされたシャワー専用のお湯を貯めることが出来るベッドに転がるように移動する。

申し訳程度にタオルがカラダの中心に置かれ、頭の上からカラダそして足の先までシャワーでお湯を掛けられてボディソープで洗ってもらう。

この作業(あくまでも作業である)で1週間分の汚れを落とす訳だ。

正面が終わると今度は横を向いて背中とお尻を洗ってもらう。
もちろん申し訳程度に掛けられたタオルの下も遠慮なくつまみ洗いされる。

握るのではなく“つまむ”というのがミソ。

そうして再びシャワーで泡を洗い流してもらって乾いたタオルでカラダを吹き、元のベッドに転がって戻るのが一連の儀式となる。

文字にすると味も素っ気も無いがまさにこの通りの作業が秘密めいたシャワー専用室の出来事であった。

でもさっぱりしたなあ。

ミイラの気分

入院してから一週間目の木曜日。
初めてのシャワーをして貰える日だ。

月曜日はベッドに寝たままシャンプーしてもらったが、それ以外は熱いタオルでカラダを拭いてもらうしかなかった。

しかし今日は違う。
シャワーだ。

しかし・・・・今日はやはりベッドに寝たまま、そしてエレベーターに乗せられたままシャワー室にむかった。

そこはタイル張りと壁面だけが目に入る。寝たままなのでそれしか見えない。

「福井さん、これから隣のベッドに移ってもらいますのでジャージや下着を全て脱いでもらいます。」と言われて看護師さんの3人がかりで裸にされた。

すっ裸になって転がるように入浴用のベッドに移動した。
腹の上には申し訳程度にハンドタオルが被せられたままである。

「熱くないですか?」と声を掛けられてシャワーでカラダにお湯を掛けてもらいながら湯量を増やしていく。

ようやくカラダが半分浸かるぐらいの湯量になった。
ひとりの看護師さんがシャンプーしてくれてふたりが全身を洗ってくれる。

まるでミイラを作る前の儀式のようである。

カラダが動かせないので看護師さん3人に為されるがままの状態は絶望的な無力感に苛まれた。

小さな子供なら可愛いだろうがこんな還暦のオッサンを看護師さんが洗ってくれるのは例え仕事とは言え申し訳ない気持ちが先に立つ。

30分ほどかけて身体中をくまなく洗ってもらったお陰でスッキリしたのは言うまでもない。

美醜の方程式

鬼瓦な看護婦さんは出入りするときにカーテンをキッチリと閉めない。

可愛らしい看護婦さんは笑顔でこちらを見ながら閉めるからぴったり閉めるけど、鬼瓦な看護婦さんは急いでいるのだろうか後手で閉めようとするがカラダが太いから手が後ろに回らないので完全に閉まらない。

それでカーテンは少し開いたままになってしまう。

ワタシが「カーテンを最後まで閉めてください」と言うと
鬼瓦な看護婦さんは「ハイハイ!」と如何にも面倒くさそうな返事が返ってくる。

笑顔で相手の顔を見て微笑む。
これが美人は普通に出来る。

鬼瓦は相手の顔を見ない。
微笑まない。
だからブサイクになる。
これ、方程式。

日頃の細やかな心遣いが可愛くて美人な看護婦さんを育む。

(※鬼瓦=ブサイクに変換の事)
(※ 看護婦=2001年からは看護師と呼ぶが慣用的表現で女性警察官を婦警と呼ぶのと等しい)

3日ぶりのシャンプー

11月28日の午後に入院してから3日ぶりに髪を洗ってもらって頭痛が無くなったぐらいにスッキリと気持ちよくなった。

髪の毛がどうのこうの言う歳でもないが、洗ってもらった後の気持ち良さは最高である。

それもベッドに寝たまま洗ってもらったのは生まれて初めて経験だった。

最後はドライヤーで髪の毛を乾かしてもらって軽やかな髪になった。

しかし写真ではどう見てもむさ苦しいオッサンにしか見えないのが情けないが。

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