
起きがけに見る夢は大抵覚えている。
夢というのは毎晩見ているはずだが、その都度消去されて目覚めている。
ところがたまに起きがけの夢だけは消去しきれずに目覚めると記憶の断片にインデックスだけが残り、それを辿ってゆくと最後に見た夢の全貌が蘇ることがある。
それが日曜日の朝に見た夢だった。
場所はとある片側一車線の郊外道路で、緩い上り道に差し掛かったところ。
その先は下りで右に軽く曲がっている道路である。
そこは夢の中で何度も通過する道だった。
今日もそこを走っていると後ろから白のハイエース200型がセンターラインを追い越してワタシのクルマをいつものように抜いてゆく光景が始まった。
いつもなら運転しているのはワタシ。
気分の悪いハイエースだと舌打ちをするのが関の山だったが今日はどういうわけか助手席の住人である。
運転するのは友人の忠ちゃん。
いつものゆるい上りに差し掛かった時、やはり後ろから猛然と白のハイエースが追い越しを始めたが、忠ちゃんはそれを阻止するようにアクセルを踏み込んでいた。
なにか様子が違うのを感じ取った白のハイエースだったが、減速するどころかワタシのクルマを抜き去ろうとアクセルを更に踏み込んで加速していった。
もうすぐ登りが終わり緩い右カーブの下りが迫っている。
頂上手前で忠ちゃんが運転するワタシのクルマを辛うじて抜き去った白のハイエース、速度を落としきれずにゆるく右にカーブする下りの路面に差し掛かると、四輪の接地圧が減少して左に流れた途端にスリップ状態になって道路外にぶっ飛んで行った。
あの運転手君、大丈夫だったろうか?
いつも強引な運転している白いハイエース200の哀れな末路である。
って、これは夢なんだなあ。
とてもリアルで溜飲が下がる夢だった。