オールドニッコールレンズのカニ爪考察

P1030035 P1030036

1977年からニッコールレンズのAi化が始まった。

1997年以前のニコンカメラでニッコールレンズを使う場合、開放F値をカメラ側に伝える必要があって、例えばNikomat FTnならレンズ側のF値を5.6にしてからレンズをカメラに取り付けた後に絞り環を一旦最小絞りにしてから開放側に回すという操作が必要になる。

ニコンFフォトミックやニコン F2フォトミックの場合は取付けるときに絞り環を5.6にする必要は無いが、最小絞りから開放側に回す動作は一緒である。

Ai化されたレンズだとその操作は必要が無くなるが、レンズ側に開放F値と最小絞り値を伝える突起が追加されるようになった。

それがAi改造と呼ばれるもので、カニ爪だけしか付いていない1960年頃から1977年までのレンズをニコンサービスセンターに持ち込めばAi対応になった絞り環に交換してくれるニコンのこだわりであり良心的なアフターケアでもあった。

その際には旧型のカメラにも取り付けて使えるようにカニ爪も付けてあり、ニコンの良心を感じることが出来る。

しかし、ニコンの良心もコストダウンという名目には勝てなかったようで、カニ爪の材質や製作工程に差が出てきたのは仕方がないことである。
※オイラの持っているレンズの中にAi改造したカニ爪に、曲げ加工ではなく機械加工されたカニ爪をふたつ発見した。

旧型のカニ爪は金属の塊から削り出したような仕様であったのに対して、Ai化された絞り環に取り付けられたカニ爪は曲げて処理した痕跡がはっきりと出ている。
(真ん中を繰り抜いてあるのは後ろの数字に光を導くためとか言われているが、実際は曲げ処理をし易いようにしてある加工だと思われる)

昔から既存のユーザーを大切にしてきたNIKONだから出来たことだろうし、その中でも最も大きなユーザーフォローはあのカニ爪に見ることが出来る。

曲げ加工ではなく機械加工されたAi改造のカニ爪のレンズの写真

オイラはニコンサービスステションで正式にAi改造してもらったオールドニッコールレンズを数本持っている。

その中の2本だけ、曲げ加工ではなく機械加工されたカニ爪を見つけた。 P1010233

NIKKOR-S Auto 1:2.8 f=35mm(Ai改造済)と2本あるZoom-NIKKOR 43〜86mm 1:3.5のうちの1本である。

他の200mm・135mm・85mm・50mmなどは曲げ加工。

もっと後に出てきたZoom-NIKKOR 28~85 1:3.5~4.5のカニ爪の仕上げは酷いものだ。 P1010235

Nikon AF NIKKOR 24-85 1:2.8-4 Dタイプのレンズにはもうカニ爪は無いが、サービスセンターの作業でカニ爪を後から付けられるように位置決めの凹みがあるのには驚いた。P1010226