ミイラの気分

入院してから一週間目の木曜日。
初めてのシャワーをして貰える日だ。

月曜日はベッドに寝たままシャンプーしてもらったが、それ以外は熱いタオルでカラダを拭いてもらうしかなかった。

しかし今日は違う。
シャワーだ。

しかし・・・・今日はやはりベッドに寝たまま、そしてエレベーターに乗せられたままシャワー室にむかった。

そこはタイル張りと壁面だけが目に入る。寝たままなのでそれしか見えない。

「福井さん、これから隣のベッドに移ってもらいますのでジャージや下着を全て脱いでもらいます。」と言われて看護師さんの3人がかりで裸にされた。

すっ裸になって転がるように入浴用のベッドに移動した。
腹の上には申し訳程度にハンドタオルが被せられたままである。

「熱くないですか?」と声を掛けられてシャワーでカラダにお湯を掛けてもらいながら湯量を増やしていく。

ようやくカラダが半分浸かるぐらいの湯量になった。
ひとりの看護師さんがシャンプーしてくれてふたりが全身を洗ってくれる。

まるでミイラを作る前の儀式のようである。

カラダが動かせないので看護師さん3人に為されるがままの状態は絶望的な無力感に苛まれた。

小さな子供なら可愛いだろうがこんな還暦のオッサンを看護師さんが洗ってくれるのは例え仕事とは言え申し訳ない気持ちが先に立つ。

30分ほどかけて身体中をくまなく洗ってもらったお陰でスッキリしたのは言うまでもない。